Creatorshead

株式会社クリエイターズ・ヘッドのつぶやき

PaaSのリスク

現在、IBM Watsonもそうですが、IaaS(Infrastructure as a Service)というデータセンター的な考え方に近いインフラ基盤をクラウドサービスで提供する形態から、ミドルウェアAPIといった各種サービスをインフラと併せて提供するPaaS(Platform as a Service)といった形態のものが、IBMMicrosoftを中心にAWSも提供を本格化しています。アプリケーションまでいくとSaaS(Software as a Service)となりますが。

弊社もIBM Watson APIを中心としたIBM CloudのPaaSサービスであったり、Machine Learning系のAPIを利用したMicrosoft AzureのPaaSサービスを利用した開発を手掛けていますが、確かにハードウェアの運用負荷や開発生産性的にはPaaSを利用したクラウドサービスが有効だと思いますが、実はPaaSを使った開発をするリスクとして、APIなどの提供サービスが突然バージョンアップの名のもと仕様変更になり、データ構造が変更になったり、APIの仕様自体が変更されると、新しい仕様に合わせるために最悪はシステム移行する必要がでてくる可能性があるというリスクをはらんでいます。また突然、提供サービスが無くなって異なる新サービスが後継として出てきたりします。

また、オンプレミス製品とは異なり、PaaSの場合は、お客様都合でなくメーカー都合で予告なしに勝手にサービス終了やバージョンアップされてしまうということです。

日本のソフトウェアハウスが同様のPaaSを手掛けている場合は、恐らく過去の仕様を踏襲した形でのバージョンアップをするのがお客様満足度に繋がると思われますが、そこは海外ベンダーのものは目まぐるしく新機能や機能拡張の名のもと新しくしていくことがお客様満足度に繋がるという考え方のようで、過去の資産にはこだわらないようです。

当然、移行が必要になれば別途有償での対応となりますので、お客様にとっては今まで使えていたシステムが上記が原因で突如動かなくなり、予期せぬコスト負担をしいられるリスクをはらんでいます。弊社のようなPaaS開発ベンダーは、このようなリスクがあることを構築前にお客様に説明するようにしていますが、なかなか理解いただけないこともしばしばで困ったものですね!