Creatorshead

株式会社クリエイターズ・ヘッドのつぶやき

産業用イーサネット

弊社は、工場の生産性向上のためのIoTシステム構築で実績を積んでおりますが、工場でも使われている産業用機器分野においてIoT(モノのインターネット)を普及させる手段の1つとして、「IEEE 802.1 TSN(Time Sensitive Networking)」と呼ばれる次世代規格の標準化が進んでおり、標準イーサネットの拡張版である同規格は、コストや相互運用性などの面でメリットを生み出す可能性があります。

標準イーサネットの規格を拡張して産業用に適用していくというのが、ここ10年ほどの流れになっています。標準イーサネットは、オープン性と互換性を備え、低コストだが、遅延を固定できず、帯域幅も保証できないことから、機器の制御には不向きである。そこで、標準イーサネットのハードウェアとソフトウェアを作り替え、遅延性能を上げて制御用にも使えるようにしたのが産業用イーサネットです。

標準イーサネットに比べ産業用イーサネットの特長は?
・専用ハードウェアを使用
・レイテンシ、制御の面で最高のアプローチ
・異なる規格同士でのネットワーク共有ができない場合がある
帯域幅の上限(例:最高で100Mbps)

産業用イーサネットでは、第2層(Layer2)にFPGAやASICなどの専用ハードウェアを実装したり、TCP/IP処理をスキップしたりして、高速通信を実現している。
産業用イーサネットには、EtherCATやCC-Link IEなどさまざまな規格があるが、規格によっては、他の規格とネットワークの共有ができなかったり、帯域幅の上限が100Mビット/秒になっていたりと、弱点も存在する。

例えば、モーション制御では、遅延性能の点から圧倒的にEtherCATが強い。しかし、さまざま種類のネットワークと接続する必要があるならば、EtherNet/IPがよい。といったように得手・不得手がある。

その中で、産業用イーサネットとして、トヨタ自動車が全面採用したEtherCATの採用が増えている。高速性、リアルタイム性、高精度時刻同期機能などに優れ、一つのネットワークでモーション、I/O、セーフティまで対応できることも評価されている。使い易さ向上に向けた新技術開発にも意欲的に取り組んでいるため、産業用イーサネット規格でデファクトスタンダードになりつつあります。