Creatorshead

株式会社クリエイターズ・ヘッドのつぶやき

ホームズとワトソンの名コンビが大活躍!

ホームズとワトソンの名コンビが大活躍!英国の作家、コナン・ドイル推理小説シャーロック・ホームズ」の話ではない!ホームズはリグシーが提供している契約書作成サービスの名前、ワトソンは米IBMのAIのニックネームだ。

「IT(情報技術)によって法的(リーガル)サービスは法律家の独占市場ではなくなる」。1996年、英国の法律学者、リチャード・ススキンド氏は語った。それから21年、彼の予言が現実になろうとしている。その担い手が「リーガルテック」のスタートアップたち。人工知能(AI)を使って法律を「みんなのもの」にする。

建物や土地の売買、業務の発注・請負、秘密保持など弁護士が用意した約300種類の契約書のひな型。この中から該当する種類のひな型を選び、必要事項を入力すれば、契約書が完成する。これがホームズのサービス内容だ。「商取引に関する基本的な知識があればだれもがすぐに契約書をつくれる」。リグシーの創業社長で弁護士の資格を持つ笹原健太氏は力説する。

クラウド上で契約書を簡単に作成できる!サイバーエージェント子会社のシーエー・モバイルはホームズを利用している。法務室統括を務める生野太朗氏は「これまで活用していた書式の契約書を登録すれば何度も同じものを作らなくても済む」と語る。ホームズでは、クラウドコンピューティングを利用しており、契約書のひな型はすべて米アマゾン・ドット・コムの「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」のクラウド上にある。

必要事項を入力する作業はインターネット上で完結する。完成した契約書が見られるURLなどを相手にメールで送る。紙は1枚も発生しない。ホームズの「助手」の役割を果たすのがIBMのAI「ワトソン」だ。サーバーに保存された契約書の内容をワトソンが学習する。その成果をもとに新たに作成された契約書をチェック、顧客にとって不利益な条項があるのかを洗い出す技術も開発している。

「きちんとした契約書があればもめなくて済むのに」。弁護士として活動していたとき、笹原氏はこう感じていた。国内の企業の9割超を占める中小企業では、商取引のときに厳密な契約書を交わすのはまれだ。

いつ、いくらで、どのような条件で引き渡すのか。こうした基本的なことを記さなかったばかりにトラブルになった事例を笹原氏はいくつも目にしていた。「専門家の助けを借りずに契約書をつくれるようにすれば紛争は減る」。こんな思いを抱いて2017年3月にリグシーを設立した。

リグシーはホームズを月980円(税別)で提供している。8月のサービス開始からこれまでに300を超える数の企業が利用している。11月には知的財産権に強い法律事務所と連携、契約書のひな型の種類を18年春までに現在の約3倍の1,000種類に増やす。

10月には、米シリコンバレーに本拠を置くベンチャーキャピタル(VC)の500スタートアップスの日本法人がリグシーに数千万円を投資した。技術開発を進め、ホームズとワトソンの連携をさらに強固にする。