Creatorshead

株式会社クリエイターズ・ヘッドのつぶやき

給料が仮想通貨で支払われる?

メディアなどで仮想通貨という言葉をよく耳にする機会が増えてますが、安全性などの面から、まだまだ日本では投資目的の利用はあるとしても、普及というレベルには至っていないものと思われます。

そんな中、中南米コスタリカでは、労働者への給料の一部を仮想通貨で支払う動きがあると地元メディアのThe Costa Rica Newsが報じています。

同国では法律で定められた最低時給分が法定通貨コロンで支払われていれば、残りの給料をお金以外のモノなどで支払うことが許されており、コスタリカの労働者は、法定通貨以外の準貨幣を給料の一部として受取る場合があると言います。

準貨幣とは流動性があり、かつ価値の保存手段として認められた資産で、支払い手段としても使うことができるものです。

そのため世界中で取引され、一定の価値を担保しているビットコインのような仮想通貨は準貨幣に該当すると言えます。

コスタリカでは給料の一部に対する仮想通貨支払いが一種のトレンドになるようですが、仮想通貨が法定通貨の代わりになるということはありえないがコスタリカでは給料の一部を法定通貨で受け取ることもできるため、仮想通貨を労働の対価として受け取りたい人にとっては、働く際の大きなモチベーションとなると話しています。

ビットコインコスタリカでも徐々に浸透しており、複数のビットコインATMが設置されていて、企業や店舗などは仮想通貨の支払受付をすでに開始しており、その数も増加傾向にあるようです。

仮想通貨のマイニング事業を展開するSH Mining Technologiesは、仮想通貨が今後コスタリカに根付いていくと予想している。「マイニングの問題点として大量の電気消費が挙げられるが、コスタリカでは100%再生可能エネルギーを使ったマイニングを行うことができる。我々の工場では太陽光と風力を活用しており、再生可能エネルギーを活用することは、我々の収益性がアップするだけでなく環境にも優しく、これからのビジネスに欠かせないコンセプトだ」と述べています。

コスタリカのような新興国で仮想通貨が広がりをみせているのには、法定通貨の価値が大きく減少していることが関係しているのかもしれません。

2015年末からアメリカでは連邦準備制度理事会FRB)が利上げを実施しており、新興国から資本が流出し法定通貨の価格の下落が目立ちます。

コスタリカと同じ中南米に位置するアルゼンチンでは、今年に入り法定通貨ペソがドルに対して30%以上価格が下落しています。物価の上昇率を表す2018年のインフレーションは、25%を記録しています。

コスタリアの法定通貨コロンはここ一年間ドルに対して価格が安定しているものの、FRBが利上げを開始した翌年2016年頃から安値方向で推移しています。

FRBのパウエル議長は、良好な米景気を根拠に「段階的な利上げの継続が最善の策だ」と発言しており、さらなる利上げを示唆したことから、新興国の通貨安傾向は今後も継続するものと思われます。新興国法定通貨の価格が継続的に下落し物価が上昇すれば、コスタリカのように給料の一部をビットコインのような他の資産で受け取りたいという需要は高まると考えられます。

日本でも近い将来、給料が仮想通貨で支払われる時代が来るのでしょうかね?