Creatorshead

株式会社クリエイターズ・ヘッドのつぶやき

工場IoT化実現のための指標


現在、工場の生産効率を上げることを目的として、工場のIoT化の取り組みが各企業で進んでおり、弊社もある大手製造業のお客様向けに工場IoT化を支援しております。

その工場のIoT化を実現するための指標として、いかに生産効率を阻害する要因を解消するか?ということが大切になりますが、工場の生産効率を阻害する設備のロスについて日本プラントメンテナンス協会では、7大ロスと定義しています。この7大ロスの考え方は、設備の本来持っている機能を、十分に発揮させることを妨げる要因をロスとして挙げています。

◎設備効率を阻害する7大ロスとは、
1. 故障ロス
突発的・慢性的に発生している故障によるロスで、時間的なロス(出来高減)、物量ロス(不良発生)を伴うものです。
2. 段取り・調整ロス
段取り・調整ロスとは、現製品の生産終了時点から次の製品の切替え・調整を行い、完全な良品ができるまでの時間的なロスを言います。 
3. 刃具ロス
刃具ロスとは、刃具の定期的交換・切損による一時的な交換に伴う時間的なロスと交換の前後に発生する物量ロス(不良・手直し)です。
4. 立上がりロス
立上がりロスの定義は、以下のとおりです。
・定修後のスタートアップ時
・休止後(長時間停止)のスタートアップ時
・休日後のスタートアップ時
・昼休み後のスタートアップ時
5. チョコ停・空転ロス
チョコ停・空転ロスの定義は、以下のとおりです。
・一時的な機能の停止を伴うもの
・機能の回復は簡単な処置(異常なワークの除去とリセット)でできるもの
・部品交換,修理は伴わないもの
・回復時間は2~3秒から5分未満のもの
6. 速度低下ロス
速度低下ロスとは、設備のスピードが遅いために発生するロスで、以下のように定義します。
・設計時点のスピード(あるいは品種ごとの基準スピード)に対する実際のスピードの差によるロス
・設計時点のスピードが現状の技術水準またはあるべき姿に比べて低い場合のロス
7. 不良・手直しロス
不良・手直しロスの定義は以下のとおりです。
不良・手直しによる物量的ロス(廃棄不良)と修正して良品とするための時間的ロスです。一般的に,突発不良は対策が立てやすく,放置されることはまずないが、慢性不良はなかなか原因がわからず、対策を講じてはみるが良い結果が得られず、放置される場合が多いです。

上記、7大ロスに加え、8大ロスとか、16大ロスという定義もあります。

◎設備操業度を阻害するロス

8. SD(シャットダウン)ロス

◎人の効率化を阻害する5大ロス
9. 管理ロス  
10. 動作ロス  
11. 編成ロス
12. 自動化置換ロス
13. 測定調整ロス

◎原単位の効率化を阻害する3大ロス
14. 歩留りロス       
15. エネルギーロス  
16. 型・治工具ロス

工場IoT化実現には、設備や装置から、どのような稼働データを取得して、上記ロスのどれにあたるか?データを仕分けて、それぞれのロスの原因の特定、改善方法を分析し、タイムリーに実行にうつすという考え方とシステム化が必要です!